アドイン機能を利用すると、Enterprise Architectに自在に機能を追加できます。Enterprise Architectのアドインは、 APIを利用して作成します。
この機能を利用することで、Enterprise Architectを拡張して、製品に含まれない新しい機能を作成できます。さらに、組織内のユーザーや、より広く業界全体に配布できます。アドイン機能を利用することで、製品ではサポートされていないモデリング言語やフレームワークのサポート機能を作成できます。
アドインはActiveX COMオブジェクトとして実装されます。通常のアプリケーションではなく、アドインとして作成する場合には次のような長所・特徴があります。
- Enterprise Architectのメニュー項目に独自の項目を追加し、Enterprise Architectからアドインを呼び出せます。
- アドインはEnterprise Architectで発生するさまざまなイベントを受け取ることができます。
- アドインはDLLとして作成します。これにより、Enterprise Architectで読み込む際の性能的な無駄を最小限にできます。
- 既に起動しているEnterprise Architectから呼び出されますので、アドインの機能を実行する際にEnterprise Architectのプロセスを別に起動する必要がありません。
- アドインは現在実行されているEnterprise Architectの情報を参照することのできるRepositoryオブジェクトを受け取ることができますので、ダイアグラムでどの要素が選択されているか、などの情報を取得できます。
- ユーザーはアドインをインストールして、アドインを登録すると利用できます。アドインの登録のためには、Windowsの管理者権限が必要です。
Enterprise Architectはビルドごとに利用者からのさまざまな要望に対応して機能強化を続けているので、アドインの機能も徐々に拡張されていきます。しかし、基本的にはアドインは新しいバージョンでもそのまま利用できるようになっています。
以下の内容は、その他の特徴や注意事項です。
- アドインインターフェースの形式上(表示上)のバージョンは2.1ですが、この数字には意味はありません。実行しているEnterprise Architectのビルドの値が必要な場合には、Repository.LibraryVersionを利用してください。
- アドインを作成する場合には、Enterprise Architectで定義されたインターフェース(本章の内容)に沿ってメソッドを定義・実装します。
- Enterprise Architectのイベントに対応して動作するアドインを実装する際には、利用しないアドインイベントは実装する必要はありません。
- アドインは、「アドイン・拡張」リボンのほか、ダイアグラムやモデルブラウザ内の要素のコンテキストメニューから呼び出せます。
- メニューの項目には、チェックのON/OFFや有効/無効の設定をできます。
アドインを利用すると、Enterprise Architectの機能をさまざまな形で拡張できます。他の拡張方法として UMLプロファイルもあります。
注意:
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- ヘルプのAPIやアドインメソッドの属性・操作などの説明は、原則としてC#で記載されています。その他言語を使用する場合は、各言語の型や文法に合わせてご利用下さい。
- .NET環境を利用する場合、.NET4.0以降に対応します。
- 読み込み専用版(Viewer)では、アドインのイベントの多くは利用できません。
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アドインの作成と利用
この章では、アドインに関する次の内容について説明します。