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Enterprise Architectでクラス図を作成する場合、その目的として対象ドメインのメタモデルを定義するために利用することがあります。例えば、クラス図を利用して地理情報ドメインのオブジェクト・データ・関係・型などを厳密に定義するような場合があります。このようなモデルの活用法として、水資源管理・健康・小売・保険・自動車の登録・エンターテイメントなどのさまざまな業界で、Enterprise Architectが利用されています。
特に、企業や標準定義団体において、こうした定義をモデルで表現することは、コストの削減につながります。定義をモデルで表現して情報を交換する必要のある関係者間で共有することは、スキーマを定義していることになります。スキーマは、多くの場合にはXMLスキーマ(XSD)で表現されます。このスキーマにより、やりとりをされるメッセージがどのような構成になっているかを明確に定義・分類できます。今までは、こうしたメッセージスキーマはメタモデルを参照しながら手作業で作成されます。手作業での作成は、その作業中に間違いを生みやすいです。
Enterprise Architectは、こうした企業や標準定義団体での利用も多く、さまざまな分野・業界のスキーマの定義に活用されてきました。
Enterprise Architectのスキーマコンポーザーの機能を利用すると、このようにしてEnterprise Architectで作成され、Enterprise Architectの形式で保存されている情報から、指定した標準に合致する形式でのスキーマを自動生成できます。この機能を利用することで、クラス図などで定義しためたモデルを手作業でスキーマに変換する必要が無くなり、効率・品質の面で大幅な改善ができます。
現在のバージョンのスキーマコンポーザーはいくつかの形式に準拠するXSDファイルを生成することが可能であり、さらにアドインの仕組みを利用して生成処理を自由に拡張できます。スキーマコンポーザーが生成する内容をそのまま利用することもできますし、JavaScriptを利用して簡易なカスタマイズを行うこともできますし、Visual Studio等の環境を利用してアドインを作成し生成結果を大幅にカスタマイズできます。
このスキーマコンポーザーの機能に加えて、Enterprise ArchitectはXSDやWSDLの定義・生成のための機能も提供しています。1から複雑なXSDやWSDLを定義する場合には、これらの機能を利用します。なお、既存のXSDを読み込んでクラス図として可視化できます。可視化した内容はスキーマコンポーザーで利用することもできますし、XSDの生成機能でXSDファイルを生成できます。
この章では、このスキーマに関する内容の他に、MOFやODM・NIEMについても説明します。