その他の記法のモデリング

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その他の記法のモデリング

 

教育・航空宇宙・鉱業・製造業など、ほとんどすべての人間活動を支える世界とシステムの設計においては、設計チーム間のコラボレーションが必要です。ビジネス戦略担当のチームは、激動する未知の海域で企業の舵取りをするような位置づけで設計を行います。アーキテクトは、企業がどのように運営され、時間とともに変化していくかを設計します。ビジネスアナリストは、顧客とのやりとりから要求を導き出し、技術的な分析に備えるためにプロセス・サービス・情報を詳細に記述します。地理空間エンジニアは、地理的な位置関係と人間の活動に対する位置関係について設計します。技術チームは、アプリケーション・情報・データベースシステムをクラウドまたはハイブリッドアーキテクチャで開発し、システムエンジニアは詳細な設計とアーキテクチャに基づいて堅牢なシステムを設計します。このように、さまざまな立場で、さまざまな内容の設計を行います。それぞれの設計には、対象に適した表記方法を利用します。

 

 

Enterprise Architectは、このようなさまざまな活動をサポートし、関係者がチャット・メッセージ・レビュー・ディスカッションなどの機能を利用して、設計モデルを一括して管理できるプラットフォームです。モデリングを行うことで、さまざまな表現の設計内容を統合し、複数のドメインや分野からのモデルを関連付けられます。例えば、地理空間的側面を記述するモデルと、規制や航空管制の設計モデルや手荷物運搬システムのモデルとを連携させることで、複雑な設計情報関係を把握できます。さまざまな概念を複数の記法でモデル化し、それらを単一のツール、Enterprise Architectで結びつけることができます。

 

 

項目

説明

ODM

Enterprise Architectでは、プロジェクトの対象領域についての大規模なオントロジーの記述も可能です。

ODMは、正規化されたビジネス面での文法や分類の表現と、それらの内容に基づく知識の表現に役立ちます。

要求

Enterprise Architectでは、要求を要素として扱うことができます。Enterprise Architectで定義した要求要素は、要求管理ツールRaQuestでも管理できます。

(参考:RaQuest (https://www.raquest.jp/)

ビジネスモデリング

Enterprise Architectでは、BPMNやSPEMなど、ビジネスモデリングに関するさまざまな記法を利用できます。

(参考:ビジネスプロセス図)

ビジネスルール

ビジネスルールのモデリングは、対象のビジネスに存在するルールや、ルールと組織やシステム内のエンティティ(実体)やタスクとの関係を把握するために利用します。

BPMN

BPMN (Business Process Modeling Notation) はビジネスモデリングのための記法です。ビジネスプロセスを効率よく、わかりやすく表現できます。

Enterprise Architectでは、UMLを拡張し、BPMNプロファイルとして定義された内容でBPMNのサポートを実現しています。

BPEL

BPEL (Business Process Execution Language) は、記述した内容についてWebサービスとやりとりを行うことを考慮した実行可能な言語です。

Enterprise Architectでは、BPMNで内容を記述し、BPELプロセスとしての情報を取得し生成します。

SysML

SysMLはハードウェア・ソフトウェア・情報やプロセス・設備などを含めた複雑なシステムの分析設計に役立つ記法です。

データベースモデリング

データベースモデリングは、データベースの内容・構成についてのモデリングです。物理モデルだけで無く、概念モデルや論理モデルに対しても利用できます。こうした、抽象度の異なるモデルに対して、トレーサビリティを定義して関係を明確にできます。

XSD

Enterprise ArchitectはW3C XMLスキーマ(XSD)の読み込みと生成に対応しています。このXMLスキーマは、サービス指向アーキテクチャ(SOA)の設計開発には欠かすことができません。

WSDL

Enterprise Architectは、W3C XML Web Service Definition Language (WSDL)の読み込みと生成にも対応します。このWSDLも、サービス指向アーキテクチャ(SOA)の設計開発には欠かすことができません。

SPEM

SPEM (Software and Systems Process Engineering Meta-model)は設計開発・ドキュメント・管理など、ソフトウェアの設計開発プロセスに関するさまざまな内容を表現するための記法です。

SPEM 2.0では、UMLのアクティビティ図やBPMNなどでモデリングしたプロセスなどの追加情報の提供が強化されています。

ArchiMate

ArchiMateは、IEEE1471規格に基づくオープンスタンダードのエンタープライズアーキテクチャの記述のための表記方法です。ビジネスプロセス・組織構造・情報フロー・ITシステム・技術インフラの構築と運用を記述するための共通言語を提供しています。

ArchiMateを利用することで、ビジネスドメイン間の関係を明確に記述、分析、可視化できます。

ArcGIS

 

ArcGISはEsriによって開発されたGeographic Information Systems (GIS)ソフトウェアの製品です。

AML

Archetype Modeling Language (AML)は、臨床情報を表現する標準的な手段で、OMGで規定されています。

データフロー図(DFD)

 

データフロー図 (DFD) は対象のシステム内のデータの流れに着目し、可視化して表現するための記法です。

Enterprise Architect日本語版のDFDは、翔泳社から発行されている「組込みソフトウェア開発のための 構造化モデリング」(SESSAME WG2著)に準拠しています。また、この書籍で紹介されている、Structure Chart(構造図・SC)にも対応しています。

実体関連図

 

実体関連図(Entity-relationship Diagram)は、抽象的で概念的なデータベース設計を行うための図です。スキーマを定義したり、意味的なデータモデルを定義したりするために利用します。

なお、この実体関連図は、IDEF 1XなどのER図の記法とは異なり、古典的なER図といわれるものです。
(Wikipedia日本語版の「実体関連モデル」のページもご覧ください。)

作成した実体関連図は、DDL生成のためのテーブル要素にMDA変換できます。

エリクソン・ペンカーのビジネスモデリング拡張

エリクソン・ペンカーのビジネスモデリング拡張は、UMLをベースにした、ビジネスモデリングのための拡張書式です。Enterprise Architectでは、この拡張記法に対応しています。

Group of Four デザインパターン

Gang of Four (GoF) デザインパターンには、23種類の有用な設計パターンが含まれます。Enterprise Architectでは、これらのパターンをクラス図内に簡単に配置できます。

ICONIX

ICONIXプロセスはD. Rosenberg(ダグ・ローゼンバーグ)によって提唱されました。Enterprise Architectでは、このICONIXプロセスに対応する機能・表記方法をサポートしています。

SoaML

 

Service Oriented Architecture (SOA・サービス指向アーキテクチャ)は、目的を達するために、人々・組織・システムがどのように関係し、どのようにサービスを利用するのかを定義するアーキテクチャのパラダイムです。

SoaMLは、このSOAの定義のために利用する記法です。

SOMF

 

SOMF (service-oriented modeling framework)は、サービス指向の開発ライフサイクル方法論です。モデリングの原理と方法の情報を提供します。

Enterprise Architectでは、このSOMFに基づいたモデリングも可能です。

独自拡張のダイアグラム

Enterprise Architectでは、UMLに含まれない、独自の種類のダイアグラムも提供しています。例えば、画面設計やビジネス分析のための図等が含まれます。

ステレオタイプによる拡張

UMLのそれぞれの要素については、ステレオタイプを付加する形で、その意味を独自に拡張できます。Enterprise Architectには、ステレオタイプに関係するさまざまな機能があります。

独自のモデリング言語の定義

Enterprise Architectを利用すると、UML以外の独自のモデリング言語を定義して利用できます。特定の領域の設計のためのもでリング言語を定義し、設計を効率化することに役立ちます。

 

 

インストール直後の状態では利用できない表記方法

 

Enterprise Architectで利用可能な表記方法のうちのいくつかについては、動作性能向上のためインストール直後の状態では利用できないように設定されています。

これらの記法を利用する場合には、以下手順を行います。

 

手順:  

#

操作方法

1

インストールディレクトリ内のMDGTechnologiesフォルダ内あるいは、InternalTechnologiesフォルダのそれぞれにあるdisabledフォルダ内のファイルを、1つ上のフォルダに移動します。

例えば、BPMN 1.0を利用したい場合には、MDGTechnologiesフォルダ内のdisabledフォルダに「BPMN 1.0 Technology.xml」ファイルがありますので、このファイルをdisabledフォルダの1つ上のフォルダであるMDGTechnologiesフォルダに移動します。

2

その表記方法を含む、独自のパースペクティブを定義します。

 

 

それぞれの表記方法と、その定義のXMLファイル名・格納されているフォルダの関係は以下の通りです。

 

○MDGTechnologiesフォルダ内のdisabledフォルダ

 

○InternalTechnologiesフォルダ内のdisabledフォルダ