Enterprise Architectでは、エディションによりさまざまなシミュレーション機能が利用できます。Enterprise Architectは、さまざまな種類のモデルを動的にシミュレーションする機能を提供しています。具体的には、以下のような機能が含まれます。下記の4つの機能は、すべてユニファイド版以上のエディションで利用できます。
- 外部実行の状態マシン - モデルの内容を元にJavaなどの指定した言語での実装を自動生成し、対象のプラットフォーム上での実際の振る舞いを確認できます。
- 意思決定分析(DMN) - 意思決定要求図で描かれたDMNモデルのシミュレーションを、DMNシミュレーションウィンドウを使って定義します。
- プロセス分析（BPSim） - BPSimの仕様と元にモデルに操作パラメータを割り当て、シミュレーションエンジンから返される情報に基づいて定義したモデルでの実際の動作結果を得ることができます。
- システムの振る舞い - OpenModelicaやMATLAB Simulinkとの統合により、SysML モデルが様々な状況下でどのように動作するかを迅速に評価できます。
上記の他、コーポレート版以上のエディションでは、JavaScriptの文法で表記されたガードやアクションを解釈し、自動で動作できます。プロフェッショナル版では、手動でのシミュレーションのみが可能です。手動でのシミュレーションは、それぞれの状態やアクションにおいて、次にどの状態やアクションに遷移するかを手作業で指定することになります。振る舞いモデルに対して、「指でなぞる」ような形での確認の際に便利です。
システムエンジニアやテクニカルアーキテクトなどは、Enterprise Architectでのモデリングやシミュレーション作業をMATLAB・Octave・OpenModelicaなどと連携できます。JavaScriptエンジンのソルバークラスと広範な数学ライブラリが利用できます。
シミュレーションや一連のシミュレーションを実行した後、スクリプト連携のチャート要素を使用してシミュレーションの結果を表現することで、以下のようなことができます。
- シミュレーションの結果を視覚的なチャート要素として保存
- シミュレーション結果に基づいて作成されたチャートをDOCXドキュメントに出力
- シミュレーション結果を視覚的に関係者と共有
注意: |
SysMLのパラメトリック図の背景で右クリックすると「SysML | ダイアグラムのシミュレーション」という項目がありますが、この機能はバージョン14.0以前に提供していた機能を呼び出すためのものです。過去のバージョンとの互換性のためにのみ残しており、サポートの対象外です。このヘルプでも説明はありません。 |
参考: