パースペクティブ

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パースペクティブ

Enterprise Architectは、組織の変革や戦略的な方向性をモデル化するエグゼクティブやビジネスアーキテクトのような立場の人から、インフラストラクチャや実装をモデル化するテクノロジーアーキテクトのような立場の人まで、さまざまなチームで利用されます。さらに、多くの専門分野に関係する立場の人も利用します。一例として、ビジネスアナリスト・プロセスアナリスト・要求アナリスト・情報アーキテクト・データアーキテクト・アプリケーションアーキテクト・セキュリティアーキテクト・システムエンジニア・プロダクトエンジニア・テスター・スクラムマスターなどが挙げられます。

Enterprise Architectには、このように異なる立場での利用を支援するさまざまな機能が用意されています。それぞれの担当者が、その時点で行っている役割に応じた機能をすばやく使用できるように、モデリング言語(MDGテクノロジー)やモデルテンプレートを簡単に選択できるパースペクティブの仕組みが利用できます。これにより、別のパースペクティブに切り替えるだけで、利用する言語などをすばやく変更できます。 パースペクティブを選択すると、ダイアグラムの作成時などさまざまなダイアログにおいて、そのパースペクティブで定義されたモデリング言語のみが表示されます。立場によっては、プロジェクトの期間中、1つのパースペクティブのみを選択したり割り当てられたりする場合もあれば、1日に何度もパースペクティブを切り替える場合もあります。

 

パースペクティブは独自に定義することもできます。興味があるモデリング言語のみを選択し、場合によってはさらにその内容を限定できます。この定義は、プロジェクトに保存してメンバーで共有することもできますし、セキュリティ機能のグループに割り当てることもできます。もちろん、個人のマシンに保存し、そのマシンでプロジェクトに依存せず利用することも可能です。

 

パースペクティブの概要は以下の通りです。

 

Enterprise Architectの既定のパースペクティブとして、多数のパースペクティブが13のグループに分けられて登録されています。この中から選択して利用することもできますし、必要に応じて独自にパースペクティブを作成して適用できます。独自のモデリング言語(MDGテクノロジー)を定義し利用する場合など、パースペクティブを定義しなければならない場合もあります。

 

注意:

  • いくつかの表記方法は、想定される利用者数および動作性能の関係で、既定のインストールの状態では利用できません。既定のパースペクティブにない表記方法を利用する際には、このページ内の「パースペクティブにない表記方法の利用方法」をご覧ください。
  • パースペクティブの「すべてのパースペクティブ」の設定は、定義済みのいずれかのパースペクティブに含まれるMDGテクノロジーが利用できます。どのパースペクティブにも含まれていないMDGテクノロジーは「すべてのパースペクティブ」を選択しても利用できるようにはなりません。そのMDGテクノロジーを含む、独自のパースペクティブを定義してください。

 

 

概要

 

パースペクティブを切り替える方法は、いかのいずれかになります。

 

パースペクティブを切り替えると、「ダイアグラム・モデルテンプレートの追加」ダイアログのモデルテンプレートタブが開き、そのパースペクティブで指定された内容に基づいて利用できるテンプレートが表示されます。自分が作成しようとしているモデルの内容に近いテンプレートがあれば、そのテンプレートを活用することで効率よくモデリングを開始できます。

 

 

 

パースペクティブを適用すると、利用できるモデルテンプレートおよびダイアグラムの新規作成時の選択肢・ステレオタイプの選択肢などが適用した内容に応じて絞り込まれます。モデルテンプレートの適用時やダイアグラムの作成の画面には、パースペクティブを切り替えるためのボタンもあり、簡単に切り替えられます。この切り替えは一時的なもので、全体として設定されているパースペクティブには影響しません。

 

パースペクティブを設定し利用するMDGテクノロジーを限定しても、他の有効なMDGテクノロジーは引き続き有効で、既存のモデルの描画などで利用されます。この点が、MDGテクノロジー自体を無効にする方法とは異なる点です。例えば、BPMNモデルとSysMLモデルが1つのプロジェクト内に含まれている場合に、BPMNのパースペクティブを選択することで、ダイアグラムの新規作成時などにはBPMNのダイアグラムのみが選択可能となります。しかし、既存のSysMLダイアグラムを開いた場合には、その内容は適切に描画されます。

 

さらに、独自のパースペクティブセットを定義することで、自分が利用するパースペクティブのみに絞り込んで利用できます。異なるパースペクティブに所属する記法を切り替えて利用するような状況では、独自のパースペクティブセットを定義すると効率的です。

 

なお、パースペクティブセットやリボンの定義は、セキュリティ機能のグループと結びつけることができます。グループと結びつけることで、それぞれの利用者の立場に応じた適切な記法・機能が利用できます。必要に応じて、利用可能な既存のパースペクティブを絞り込むこともできます。パースペクティブを切り替えて利用する場合には、利用しないパースペクティブを表示させないことで、選択が容易になります。

 

なお、パースペクティブを設定・変更しても、ドキュメント生成・コード生成などのEnterprise Architectの機能の利用の可否や利用できるテンプレート・プログラム言語などには影響しません。

 

パースペクティブに関する個々の機能の詳細は、それぞれのヘルプページをご覧ください。

 

 

既定のパースペクティブ

Enterprise Architectでは、いくつかの既定のパースペクティブを提供しています。一例は次の通りです。

 

既定のパースペクティブはいくつかのグループに分類されています。それぞれの分類内のパースペクティブを選択することで切り替えられます。

 

詳細は「既定のパースペクティブ」のページをご覧ください。

 

 

パースペクティブのカスタマイズ

既定のパースペクティブの他に、独自のパースペクティブを定義して利用できます。それぞれの利用者ごとに、利用する記法をパースペクティブとして定義できます。例えば、BPMNとSysMLの両方を利用できるような独自のパースペクティブを定義し、利用できます。

 

 

独自のパースペクティブは、作成後に内容の変更も可能です。詳細は「独自のパースペクティブの定義」のページをご覧ください。

 

 

パースペクティブにない表記方法の利用方法

 

Enterprise Architectの起動・動作速度の改善などの目的で、いくつかの表記方法は対応するパースペクティブがなく、初期状態で利用することができません。利用する場合には、以下の手順で設定してください。

#

説明

1

利用したい表記方法に対応する拡張子XMLのファイルを、Enterprise Architectのインストールディレクトリ内にあるMDGTechnologiesディレクトリあるいはInternalTechnologiesディレクトリ内にある、disabledディレクトリ内から発見し、1つ上のディレクトリに移動します。

例えば、MDGTechnologiesディレクトリ内のdisabledディレクトリに利用したい表記方法に対応する拡張子XMLのファイルがあった場合には、そのdisabledディレクトリの1つ上のディレクトリである、MDGTechnologiesディレクトリにファイルを移動します。

2

Enterprise Architectを起動し、特定のパースペクティブを選択していない状態にします。ダイアグラムを作成できることを確認してください。

3

必要に応じて、独自のパースペクティブを定義し、有効にした表記方法(MDGテクノロジー)を含むように設定して利用して下さい。

 

 

モデルでパースペクティブを定義する

独自のパースペクティブを、パースペクティブ定義用のMDGテクノロジーを使用してモデルとして定義できます。これは、パースペクティブの選択メニューで「ツール拡張」 > 「パースペクティブ定義」の順に選択することで利用できます。パースペクティブワークスペース図では、1つまたは複数のパースペクティブが、複数のMDGテクノロジーを持つように定義します。さらに、パースペクティブは、セキュリティ(アクセス権)のグループに結びつけることができます。グループにパースペクティブが結びついている場合、そのパースペクティブは、そのグループのメンバーが利用できる唯一のパースペクティブになります。グループには、既定のパースペクティブを含む複数のパースペクティブに結びつけることができます。

 

リボンセットも、パースペクティブワークスペース図で定義できます。リボンセットでは、どのリボンとボタンを使用できるかを定義します。各リボンのカテゴリには、いくつかのリボングループがあります。例えば、リボンカテゴリ「モデル」には、パッケージ・ダイアグラム・要素などのリボングループがあります。リボンセットをセキュリティのグループに結びつけると、そのグループのメンバーが使用できるリボンが制限されます。

 

詳細については、「パースペクティブのモデリング」のページをご覧ください。

 

 

参照: