プロジェクトについて

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プロジェクトについて

 

Enterprise Architectのプロジェクトには、企業やその企業が運営する設計開発に関する貴重な情報が含まれています。これらの情報は、戦略的・戦術的・運用的なレベルのものであり、モデルはビジネス・技術・エンジニアリングなど、さまざまな分野に基づいています。モデルは、企業やそのビジネス・技術部門・サービスの現在または将来の状態を表します。プロジェクトは、企業の知識の中心的なハブとなり、他のさまざまなツールと統合することで、企業のすべての知識とその関係性を統一的に把握できるようになります。

 

設計者は、ダイアグラム・一覧・マトリックス・カンバン・ロードマップなどのさまざまな表現で相互に関係する要素を定義します。ステークホルダーは、これらの可視化された情報を見て、ディスカッションやレビュー・チャットなどを通じてコラボレーションを行い、フィードバックや質問をして、モデルの改善に寄与できます。

 

Enterprise Architectのプロジェクトは、MS AccessやFirebirdなどのファイルベースのデータベースの他、OracleやMS SQL Serverなどのデータベース管理システム(DBMS)などのリレーショナルデータベースに格納できます。Enterprise Architectでは、DBMSベースのリポジトリには直接接続する方法の他に、Proクラウドサーバを利用して接続できます。最初はファイルベースのプロジェクトを利用し、多くの設計者がプロジェクトを利用するようになったら、DBMSに移行するのが一般的です。どの種類のプロジェクトを利用する場合でも、Enterprise Architectのユーザーインターフェースは同じですので、プロジェクトの種類の変更は設計者に大きな影響を与えません。

 

項目

説明

ファイル形式のプロジェクト

Enterprise Architectのすべてのエディションにおいて、拡張子 .qea あるいは .feap のプロジェクトファイルを作成し利用できます。Enterprise Architectの過去のバージョンでは、拡張子.eap/.eapx のファイルが利用できました。拡張子.eap/.eapxを利用するためには、32ビット版のEnterprise Architectを利用するか、Accessのランタイムをインストールするかが必要です。

  • .qeaファイルの実体は SQLite 3形式のデータベースファイルです。
    (拡張子を.qeaxに変更することで、ネットワークドライブに配置し複数名での同時利用ができます。)
  • .feapファイルの実体は Firebird形式のデータベースファイルです。
  • .eap/.eapxファイルの実体は Microsoft JET形式のデータベースファイルです。拡張子eapxは内部の保存形式がUNICODEです。

DBMSリポジトリ

コーポレート版以上のエディションでは、プロジェクトファイルの内容をOracleなどのDBMS(データベース管理システム)に格納できます。ADOおよびODBCを利用してデータベースシステムと接続します。

Enterprise Architectを起動すると表示されるスタートページから、リポジトリに接続できます。

 

DBMSプロジェクトは、.qeaファイルや.feapファイルと同じデータベース構造を持ちますが、スケーラビリティや同時アクセス性が大幅に向上します。 Enterprise Architectは直接接続またはADO/ODBC接続を使用してDBMSに接続します。性能面や安定性の面で、直接接続の使用を推奨します。

 

64ビットマシンでODBCデータソースを設定する場合には、利用するEnterprise Architectのビット数に対応するODBCデータマネージャを利用する必要があることに注意してください。 例えば、Enterprise Architectの64ビット版をインストールした場合、64ビット版のODBC DSNの定義が必要です。 正しいバージョンのODBCデータマネージャは、Enterprise Architectのリボンの「設定」→「ユーザーツール」→「ODBCデータソース」で呼び出せます。

Proクラウドサーバ

Proクラウドサーバの機能は、インターネットまたはローカルネットワークを使用して、1つまたは複数のプロジェクトが設定されたProクラウドサーバにあるプロジェクトを利用できる機能です。無料版のProクラウドサーバは、Windowsベースのマシンに簡単にインストール・設定および構成して利用できます。Proクラウドサーバでは、実際のプロジェクトを保存する先として、QEAファイル・FEAPファイルか、DBMSリポジトリを選択できます。性能面において、Proクラウドサーバと同じマシンに配置することを推奨しますが、他のマシンで動作するDBMSリポジトリを利用できます。Proクラウドサーバの機能を利用することで、分散環境における設計開発を強力に支援します。DBMSリポジトリのみでも分散環境での設計を支援する仕組みを構築できますが、いくつかの点においてProクラウドサーバの方が構築・利用・運用が容易です。

モデルとプロジェクト・リポジトリ

Enterprise Architectにおける、モデル・プロジェクト・リポジトリの用語の定義について説明します。

  1. モデルとは、Enterprise Architectを利用し、UMLやSysMLなどの表記方法を利用して設計対象について特定の観点・側面に着目し表現される設計情報です。具体的な構成要素として、パッケージ・ダイアグラム・要素・接続・属性・操作などが含まれ、多くはモデルブラウザ内に表示されます。
  2. プロジェクトとは、モデルの内容に加え、モデルの範囲に含まれないようなプロジェクト計画・プロジェクト管理などの項目まで含めた内容となります。また、プロパティなどで指定可能な選択肢や設定(オプション)などの情報も含みます。特に、Enterprise Architectのプロジェクト管理機能は非常に豊富で、リソース管理・セキュリティ・変更管理・テスト項目などの一般的なプロジェクト管理タスクが可能です。これらの内容もプロジェクトとして管理されます。
  3. リポジトリは、単一のファイル・DBMSデータベース・Proクラウドサーバのいずれかとなります。プロジェクトァイル形式の場合、1つのリポジトリ(ファイル)には1つのプロジェクトのみが含まれるため、リポジトリ=プロジェクトファイル とも言えます。DBMSデータベースやProクラウドサーバには複数のプロジェクトを格納できます。関連する複数のプロジェクトを、単一のリポジトリとして管理できます。
    このヘルプでは、「リポジトリ」と表現する場合の多くはDBMSリポジトリを指し、単一のファイルの場合には「プロジェクトファイル」と表現します。

新しいプロジェクトファイルの作成

新しく設計をはじめる場合には、プロジェクトファイルを新規に作成します。

 

プロジェクトファイルを作成した後には、必要に応じてモデルテンプレートを利用できます。モデルブラウザからモデルテンプレートを追加する場合の方法は以下のいずれかとなります。

  • モデルルートを右クリックし、「モデルテンプレートの追加」 を選択
  • パッケージを右クリックし、 「モデルテンプレートの追加」 を選択
  • モデルルートを選択した状態で Insertキーを押し、「モデルテンプレートの追加」 を選択
  • パッケージを選択した状態で Insertキーを押し、「モデルテンプレートの追加 を選択

既存のプロジェクトを開く

Enterprise Architectで既存のプロジェクトを開くには、いろいろな方法があります。Enterprise Architectを初めて利用する場合には、EAExample ファイルの中身を見てみることをお勧めします。サンプルプロジェクトは実際の製品設計の全体ではなく断片的な内容の集合ですが、Enterprise Architectをどのように利用するかを考えるヒントになります。

DBMSリポジトリへの接続

注意:

この機能はプロフェッショナル版では利用できません。

Enterprise Architectではデータベース上のリポジトリを利用できます。以下のデータベースをサポートしています。

  • Firebird
  • MariaDB
  • Access2007以降 (ACCDB形式)
  • SQL Server 2000以降
  • SQL Server Express 2005以降
  • MySQL
  • Oracle 9i, 10g, 11g, 12c
  • PostgreSQL

 

新しくデータベースにリポジトリを作成するには、まずデータベースソフトウェアに付属しているツールで新しいデータベースを作成する必要があります。

それから、スクリプトを実行して論理的な構造を構築する必要があります。その後、既存のプロジェクトファイルの内容を転送できます。

(参考:データベースにプロジェクトを設定)