Unified Architecture Framework (UAF)・UPDMのモデリング
Unified Architecture Framework (UAF)とは
Unified Architecture Framework (UAF)は、Object Management Group (OMG)が管理提供する、Unified Profile for DoDAF and MODAF (UPDM)を元にしたエンタープライズアーキテクチャのフレームワークです。UPDMは防衛機関での利用を想定したフレームワークですが、民間企業等でも利用できるように内容を拡張しました。
UAFの元になっているDoDAF (U.S. Department of Defense Architecture Framework)・MODAF (UK Ministry of Defence Architecture Framework )・NAF (NATO Architecture Framework)は、それぞれの防衛機関のシステム構築での利用を想定したフレームワークです。これらのフレームワークの根本は一般的な企業でも適用・利用可能であり、そうした企業でのニーズを受けて、当初UPDM3.0として開発されていたフレームワークはUAFとしてリリースされることになりました。
UAFのモデルは、基本的にはシステムのステークホルダーの関心事を様々なビューで表現します。例えば、保有する能力・シナリオ・リソース・セキュリティなどの関心事が含まれます。表現には、主にUMLやSysMLを利用します。
UAF Grid
UAFではさまざまなビュー(観点)が定義され、UMLやSysMLのダイアグラムとして表現します。多数のビューが定義されているため、下記のようなUAF Gridでそのビューを整理しています。
(Unified Architecture Framework (UAF) 1.1 Domain Metamodel 仕様書より引用)
縦方向の「領域 (Domain)」と横方向の「モデルの種類 (Model Kind)」で、対象のシステムをさまざまな観点から漏れがないように分析・定義できます。交点となるそれぞれのセルは、行と列を元にした記号で一意に識別できます。例えば、左上にあるセルはである「戦略の分類体系 (Strategic Taxonomy)」は、領域「戦略 (Strategic)」の略語である「St」とモデルの種類「分類体系 (Taxonomy)」の略語である「Tx」を組み合わせて、「St-Tx」という記号で一意に識別できます。
それぞれのセルに対して、ダイアグラムを作成し内容を記述します。
Enterprise Architectでのモデリング
Enterprise Architectで利用できるUAFは、UMLプロファイル「Unified Architecture Framework Profile 1.1」の実装です。そのほか、Enterprise ArchitectではUPDM 2.0も利用できます。
ご注意: テンプレートの内容は英語になります。日本語文字列の入力や表示は可能です。
利用環境
UAF・UPDMのモデリングを利用するために必要な環境は以下の通りです。
- Enterprise Architect ユニファイド版あるいはアルティメット版のエディションが必要です。
- Enterprise Architectの必要システム構成もご確認ください。
Enterprise Architectのモデルテンプレートでは、UAF Gridのそれぞれのセルのうちのいくつかについての簡単なサンプルを用意しています。これらのテンプレートを取り込み、内容を削除して作業を始めるのも1つの方法です。
上記のモデルテンプレートを全て取り込み、目次ページを追加したプロジェクトを利用できます。ぜひご利用ください。
UAF1.1_Template.zip
動画
Enterprise ArchitectでのUAFの利用概要は以下の動画をご覧ください。(26分1秒・音声あり)