事例紹介:株式会社エルザ様 前編

この事例では、Enterprise Architectを利用してTravelXMLの設計を行った株式会社エルザ様 の事例をご紹介します。

プロジェクトの背景と展開

(文中の敬称は省略しています)

株式会社エルザでは、旅行業務で使用される予約システムの標準化をめざしたTravelXML(旅行産業全体で企業間取引を電子化するときに利用する標準規格)に関する設計を行いました。

旅行予約システムは各企業ごとに独自に開発しており、開発にコストがかかっているのが現状です。JATA(日本旅行業協会) ではこの現状を打破するために、XMLコンソーシアムと共同で汎用的なTravelXMLを提供することにしました。将来的に業界全体の業務が円滑化されることを目的としています。

株式会社エルザではこのTravelXMLの設計にXMLコンソーシアムの一員として参加し、TravelXMLに必要な情報を元に、Enterprise Architectを利用して設計を進めました。当初は元となる情報をExcelで管理していましたが、情報の参照や編集に労力を要していました。また、後々、情報追加や変更などが発生した場合は、この作業を繰り返す必要があり、将来的な作業にも不安がありました。この状況を改善するために検討を行い、情報を”図”で表現することにしました。問題を改善できるツールを探す中でEnterprise Architectを見つけ、その使用を決めました。

設計の過程において、Enterprise ArchitectのデータベースはMicrosoft Access形式(MDB形式)になっていることを知りました。そこで、SQL文にて情報の取得および情報のチェックを行い、取得した情報を元にSchemaを自動生成するツールを作成しました。このような仕組みを作成することができたため、モデルを修正するだけでその内容に即したSchemaを出力できるようになりました。その結果として、設計の効率が上がり、さらに、今後取り扱う情報の追加や変更が発生した場合でも、メンテナスを容易に行うことができる仕組みを確立することができました。ごく少人数で設計ができたのも、この仕組みを作ることができたことが一番の理由です。

設計したTravelXMLは、共通の仕様として今後使用範囲が広がることが見込まれています。

補足:TravelXMLの設計書では、実際にEnterprise Architectで設計した図が使用されています。



→後編では、この設計に携われた笹本代表取締役にEnterprise Architectに関する質問をさせていただき、回答とコメントをいただきました



利用方法概要

項目対応
利用している種類と本数プロッフェショナル版 3本
利用しているUMLとダイアグラムクラス図
(UML規定にはこだわらず分かりやすく記述)
UML規約への遵守×
データの保存形式EAPファイル
EAをカスタマイズしたか?カスタマイズなし
アドインは利用したか?×
独自のアドインは作成したか?アドインは作成していないが、データベースから直接情報を取得した
EAの新しいビルド・バージョンが  
出た場合の対応
最新版リリースのたびにバージョンアップ
(今までにこの方法で特に問題がなかったため)